千曲会報第326号 ホームカミングデーに参加して 藤原 惠(繊工課3)

卒業してからもうすぐ10年。化材の友人が誘ってくれたのを機に、節目の年に初めてホームカミングデーに出席しました。コロナ禍で4年ぶりの開催との事、皆様におかれましても特別なお気持ちがあったのではないかと思います。

上田の澄んだ空気と緑豊かなキャンパスに足を踏み入れると、いかに恵まれた環境であるかを学生の頃よりも強く実感しました。地元ではないのに「帰ってきた」という気分になってしまいます。

午前中の座談会では、森川先生、藤吉様、枝村様、村川先生による、繊維とその環境や未来に関する貴重なご意見を伺う事ができました。

繊維は未来永劫に無くならないけれども、時代と共に変わっていく。そして、異分野と融合できるという事。90分にはとても収まりきらないほど繊維の可能性を感じました。

昨今よく耳にするLCAについては、業務上、今年ちょうど社外のセミナーを受講したばかりでしたので、卒業後の10年の間に大学の講義も進化していたのだなと驚きました。

時折、登壇者の皆様の学生時代のエピソードもお話し頂き、アットホームな雰囲気を感じられました。自分と同じ学部・学課の先輩方が業界で活躍されており誇らしく思います。

お昼の懇親会では、千曲会や卒業生の方々、在学生の親御さんともお話しできました。

まだ関数電卓が無かった頃の計算、卒業後のご趣味などもお聞きでき、このような場でしか得られない出会いに嬉しくなりました。

午後の発表大会「つながるひろがる」はまさにその名の通りで、皆様の自由な発表から今後に繋がるきっかけがあちこちに見られたと思います。私の友人も自身の経験を自分の言葉で表現していたのが良かったです!

閉会後、先進繊維棟と感性工学棟との間に新しく建った真綿蚕糸館を見学しました。

語弊があるかもしれないのですが、こんな所にこんな素敵なミュージアムがあるなんてと羨ましくなり、森川先生が仰っていたインスピレーションを与える場、伝統技術を残したいという事も納得でした。絹の製糸実習も思い出され、他の大学ではなかなか経験できない貴重な実習だったとありがたく感じました。

このように、私にとっては懐かしさと新しさを感じ、リフレッシュにもなった一日でした。いつか先生方や諸先輩方のように社会や地域に貢献できるよう、今後10年、20年と自身の仕事に励んで行きたいと思います。

最後になりましたが、ホームカミングデーの運営や発表に携わった皆様に御礼申し上げます。またの機会にお会いできる事を楽しみにしております。ありがとうございました。